SharePoint Onlineで社内ポータル作成(実践編) #1 はじめに

SharePoint Onlineで社内ポータルを作成する「実践編」の連載をスタートします。

前提

SharePoint Onlineの標準機能限定

SharePoint Onlineを前提とします。オンプレミスのSharePointでなければ実現できない機能は紹介しません。とは言え、現在システムリプレースのタイミングでは必ずと言って良いほどクラウドサービスへの移行を検討する時代になっております。オンプレミスのユーザー様にとってもSharePoint Onlineに移行を検討する際の調査に役立つ記事になればと思います。

極力マイクロソフト社の無償サポートの範囲で紹介

Office 365には「サービスリクエスト」というマイクロソフト社の無償サポートが含まれています。ただし、どのような要求にも答えてもらえるものではなく、複雑な設定や開発に関してはサポート外となることが多いようです。普段から標準的な機能を中心に運用をしていれば、急なトラブル時も無償サポートの範囲で対応してもらえることも多々あり(※トラブルの解決を確約するサービスではない点にご注意ください)、結果的に安定した稼働につながります。よって当連載では極力マイクロソフト社の無償サポートで質問が可能な範囲で紹介をしていく予定です。

大規模な導入では複雑な設定・開発が必要になることもあります。これは社内SE、または専門のSIerが担当する範囲となります。当サイトはユーザー様向け、初心者向けを基本としておりますので、これらの技術については紹介予定はありません。

SharePointの利用目的を整理する

早速本題に入っていきます。まずサイトの構築に着手する前に、社内のポータル需要を整理しましょう。SharePoint Onlineのサイトコレクションは利用目的および予算管理の単位で分割することで管理が容易になるからです。

利用目的ごとにサイトコレクション分割

SharePoint Onlineではサイトコレクションごとに管理者を設定することができます。利用目的ごとにサイトコレクションを分割しておくことでコンテンツやアクセス権限の管理が容易になります。また、SharePoint Onlineの設定をカスタマイズする場合、設定によってはサイトコレクション全体に影響するものがあります。サイトコレクションを分割しておけば利用目的ごとの最適な設定で運用することも可能となります。下記に代表的な利用目的を挙げていきます。

利用目的 説明
社内ポータル ブラウザ起動時に最初に表示されるポータルサイトです。全社向けのお知らせ・通達の掲示、各種ポータルへのリンク集の提供などの役割を担います。企業によっては自社ブランドのカラーを強く打ち出したデザインが要件となることもあります。
部門ポータル 部門ごとのコンテンツとして、お知らせ、ドキュメント管理などに利用されます。このほか部門ごとのコンテンツを社内に情報発信することもあります。例えば広報部のカタログ掲載、動画掲載などがあります。
プロジェクトポータル 組織の階層とは独立したアクセス権限管理が必要なプロジェクトで、専用のポータルを作成します。プロジェクトによっては社外のパートナー企業をメンバーに加え、アクセス権限を割当てることもあります。
社内コミュニティ 業務時間外の活動を支援する企業では、部活動や福利厚生の案内などの情報共有に専用のポータルを作成することがあります。また、組織の壁に捉われない社員同士のコミュニケーションを促進し、ナレッジの有効活用を実現したいというケースも考えられます。目的や社風により最適な手段は異なります。SharePoint OnlineではなくYammerのようなエンタープライズ向けのSNSを導入した方が効果が見込まれる場合もあり、さらに詳細に目的と手段を検討する必要があります。
個人用ストレージ 昨今では個人用を含め、デスクトップPC/ノートPC/スマートフォンなど複数のデバイスを仕事に使うケースが増えています。デバイス内のローカルデータは外出中に閲覧することができません。Office 365ではOneDrive for Businessという個人用のネットワークストレージが提供されています。これを利用することで社内のPCで作成したOfficeドキュメントなどを外出中にスマートフォンで閲覧することが可能になります。業務で利用するためには個人レベルでのセキュリティ教育や使いこなしのトレーニングが必要になりますが業務効率改善の手段としては有効なものとなっています。当サイトにもOneDrive for Businessの管理者向け記事がありますのでご参照ください。
OneDrive for Businessの管理・活用

予算管理の単位でサイトコレクション分割

SharePoint Onlineはコンテンツの容量による従量課金となっています。購入済みのユーザーライセンス数に応じた無償の利用枠があり、それを超える場合は容量の追加分を購入する必要があります。容量上限の管理はサイトコレクション単位となりますので「部門ごと」「プロジェクトごと」などの予算管理が必要な単位でサイトコレクションを分割することで管理が容易になります。

具体的にサイトを構築していく

SharePoint Online(およびOffice 365)に触れたことが無い初心者の方は当サイトの入門編記事もご参照ください。
SharePoint Onlineで社内ポータルを作成しよう(入門編)

Office 365は機能評価用に30日間無償で利用することができます。下記のリンクより利用の手続きが可能です。試用版には25ユーザ分のライセンスが含まれており、社内ポータル運用のシミュレーションも可能です。
http://www.microsoft.com/ja-jp/office/365/try-guide.aspx

次回以降、以下に挙げる要素を順不同で解説していく予定です。今回は概要のみ紹介させていただきます。

サイト構成を検討し構築する

項目 説明
導線設計 それぞれを別々のサイトコレクションで作成した、社内ポータル・部門ポータル・プロジェクトポータルをユーザーが行き来するにはナビゲーションを提供する必要があります。SharePoint Onlineで提供されているいくつかの方法から、導線設計に合わせたナビゲーションを配置・管理する方法を紹介します。
コンテンツ作成 お知らせ・通達・ドキュメント管理など目的ごとに求められる機能は異なります。SharePoint Onlineでは様々なリストテンプレートやWebパーツが提供されています。これらを組み合わせて目的に沿った動作を実現するサンプルをいくつかのシナリオで紹介する予定です。
検索機能活用 SharePoint Onlineの活用が進み、ドキュメント数が増加すると目的のドキュメントにたどり着くことが難しくなってきます。その際に良く利用されるのが検索機能です。SharePoint Onlineでは特別な設定をおこなわなくとも検索機能が利用可能です。しかし効率よく検索するためには「検索結果に表示されて欲しくないコンテンツを除外する」「ドキュメントにタグ付けをおこなっておく」などの設定が必要になります。比較的簡単に設定ができ、かつ効果の高いものからいくつか紹介する予定です。

サイトを管理する

項目 説明
テンプレート運用 部門サイトやプロジェクトサイトなど、企業によっては100個以上のサイトコレクションを作成する事例もあります。すべてのサイトコレクションで共通する基本的な機能はあらかじめテンプレート化しておくことで、サイトコレクション作成時の手間を省くことができます。サイトテンプレートの作成例や作成時の注意点を紹介します。
Power Shell 社員の入退社時のライセンス管理、組織変更時のグループ管理、SharePoint Onlineの各種設定管理をおこなう際に、ブラウザから手作業で設定するよりもPowerShellのコマンドから一括設定したほうが効率が良い場合もあります。当サイトではOffice 365を管理する「Office 365 PowerShell」およびSharePoint Onlineを管理する「SharePoint Online Management Shell」を紹介します。
アクセス解析 社内ポータル導入後は利用状況を確認、改善の検討、改善の実施のサイクルを繰り返します。このとき必要になるアクセスログ取得の運用方法について紹介します。
アクセス権限 SharePoint Onlineはパブリック・クラウドのサービスです。適切なアクセス権限の管理ができていないことで情報漏えいなどの事故を発生させないよう、業務に必要な最小の権限で運用することが基本となります。アクセス許可レベルの設計や管理者アカウントの取り扱いについて知っておくべき知識を紹介します。

 

書き出してみると中々のボリュームですね。。。マイペースな長期連載になりますが気長にお付き合いいただけますと幸いです。